矯正歯科
矯正治療
近年、柔らかいものを中心とした食事形態に変化してきており、咀嚼回数が減少することで顎が劣成長となり、歯が並びきらない(叢生:(そうせい)狭窄歯列弓(きょうさくしれつきゅう))ことが多くなってきております。これは単に歯が並ばないだけでなく、下顎の歯列が狭窄することで舌が後方に位置しいびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となったり、上顎の歯列が狭窄することで鼻腔を中心とする呼吸機能に影響を与えると言われています。当院では、この狭窄歯列弓への対応として非抜歯で行う矯正治療を中心に行っております。その他、小児期の反対咬合(下顎前歯が上顎前歯より出ている状態)に対する治療も行っております。
当院が行っている矯正治療
また、小児期の不正咬合においては習癖を改善することでよくなることもありますのでまずはご相談ください。また症例によっては当院では治療ができないこともありますのでご了承ください。
狭窄歯列弓に対する治療法(小児~成人において治療可能)
近年、歯列弓の狭窄が年齢を問わず頻繁に見られるようになってきました。狭窄歯列弓は小児期、具体的には混合歯列の永久歯交換期で、歯列の狭窄が初期のうちに対処すれば成人期には正常な歯列となる可能性が高まると言われています。さらに、小児期の歯列狭窄は授乳期の哺乳から離乳、そして一般食への移行の過程が大切で、舌・口輪筋・咀嚼筋・表情筋などの使い方が成長発育に影響し、その他狭窄歯列弓は舌の圧痕、睡眠時無呼吸症候群、顎関節症などにも影響を与えると言われています。
治療法
当院では狭窄歯列弓に対する治療法として拡大床というプラスチックの装置を使用して行う方法を行っています。(取り外し式)
拡大床の特徴
- 歯を抜きません
- 装置の装着は1日8~10時間です。それ以外は装置を外し、食事の際によく咬んでものを食べることも治療の一環です。
- 周りの人に気付かれません。夜間に8~10時間装着すれば日中は装着しなくてよいです。
- 狭窄歯列弓であれば8歳頃~中高年の方まで可能です。
全身疾患との関連性
改善の可能性がある症状
- 歯周病・口臭:歯列弓の拡大
- 睡眠時無呼吸症候群・いびき・鼻詰まり、中顔面への影響
- 歯列不正に対する心理的影響
(いずれの症状の改善にも個人差があります)
実際の症例
症例1
↓ 3年後
症例2
↓ 3年後
治療が難しい場合
- 本人に治す意思がなく家族の協力がない方
- 装置を入れる時間がない方
→装置を装着しないと効果が出ませんので上記の方は他の方法をご検討ください。
小児期の反対咬合(受け口)に対する治療法
ムーシールドは、3歳児検診時の反対咬合に対応できる機能的顎矯正装置です。寝ている間に、お口の中にムーシールドという特殊なマウスピースを装着して、反対咬合を改善し、顎が正常に成長するように促します。
特徴
- 早期初期治療が可能
- 被蓋の改善
- 舌圧と口唇圧のバランスを保つ
- 舌を高位に保つ機能
作用機序
- 上口唇圧を排除し、口唇圧のバランスを整える
- 低位舌を改善し、高位で機能させ、逆被蓋の改善を促す
適応
対象年齢は3~10歳くらいで、装着は約1年間ほど継続します。
※生体によって効果には個人差がありムーシールドを使用しても改善しない場合は本格矯正が必要となりますので矯正専門の歯科に紹介させて頂く場合もありますのでご了承ください。
実際の症例
症例1
↓ 治療後
↓ 治療後
マウスピース矯正
マウスピース矯正は透明な材料なので、歯になじんで目立ちません。
また、道具を使わなくても取り外しができ、どうしても付けたくないときに外せるのは大変便利です。ワイヤーの矯正と比べた場合、断然、目立たないという利点もありますが、一番のメリットは、実は、この「取り外しができる」ということです。
以下に簡単ではありますが、利点・欠点をまとめます。
マウスピース矯正の利点
- 透明で見えにくい
- 痛みが少ない
- 歯根吸収がほとんど無い(治療中に歯が揺れない)
- 年齢性別を問わない(永久歯列期のみ)
- ワイヤー矯正に比べう蝕になりにくい
- ワイヤー矯正に比べ短期間でできる
マウスピース矯正の欠点
- 装着しないと治療が進まない(基本的には食事以外24時間装着)
- 最終的なかみ合わせの調整が必要
- 歯の切削が必要な場合がある
- 適応できない場合がある
非適応症例
①叢生の強い場合
②抜歯が必要な場合
③骨格性の問題を認める場合
誰しもきれいな歯並びにはあこがれを持っています。
歯並びをきれいにしたいけど「見た目が気になってしたくない」と矯正治療をためらっていらっしゃる方はぜひご相談ください。